経験に基づく投資の話 その⑱ 値幅観測で使う「黄金分割」「黄金比」

「黄金分割」をご存じでしょうか。ミロのヴィーナスの頭のてっぺんからおへそまでと、おへそから足先まで、この比率です。0.382と0.618です。パルテノン神殿、パリの凱旋門、モナ・リザの微笑、など「人が美しいと感じる縦横の比率」を黄金比(1:1.618)と呼びます。

黄金分割0.618と0.382はフィボナッチ級数によってもたらされる比率です。

相場のリズムも自然界の法則に従わざるをえない、という真理(仮説かも)があり、それは過去の相場によって裏付けられてきたのです。筆者ヘンデル自身、何十年も前、FXなんて言葉もなかったころ、ドル=NZドルの相場で、0.01の単位までピタリ0.618にあてはまったことが2度ありました。

振り返ってみれば、この事実を目の当たりにして、筆者は黄金分割信者になったのでした。相場の転換点は例えば、日本人がよく使う「1/3押し」ではなく、欧米人が大好きな「0.382押し」なのだ、と確信したのでした。「押し」というのは「下げ」のことです。

株価が過去、底を付けたところ、これをスタートとして、100円上がって天井を付けて、下がってきたら・・どこまで下がるかの1つ目のメドが上がった幅の0.382押しの61.8円(上がった幅の61.8%)、次の下値メドが1/2押し50円下げ、最期のメドが0.618押しで38.2円(スタートからは38.2%上昇) これが基本です。

そしてフィボナッチ級数とは、初めに1を二つ横に並べて書いてください。次に、その和を右に書き足します。以下、1と2の和3、次は2と3の和5・・・ というように、すぐ左の2数の和を右に書き足してゆく、そうして出てくる数列がフィボナッチ数列です。

1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89

この数列の神秘的なところは、左の数値をすぐ右の数値で割ると、0.618に収斂していくところです。2÷3=0.666、3÷5=0.6、5÷8=0.625、8÷13=0.615、13÷21=0.619、21÷34=0.617、34÷55=0.618、55÷89=0.6179

逆にすぐ右の数値で割り算すると89÷55=1.6181  これを黄金比と呼ぶのです。この比率も相場の世界で見かけます。

レオナルド・ダ・ビンチは「もしも、あるものが正しい姿でなければ、うまくいかない」と言ったそうです。(鏑木繁さんの著作から) モナ・リザの顔の縦横比は1:1.618です。顔の大きさと、額から手までの距離が1:1.618です。

でも日本人は白銀比と呼ばれる1:√2(1:1.4142)が大好きです。この顔は「可愛い」になります。ちなみに白銀比はA3、A4といった紙の縦横比でもありますし、法隆寺やスカイツリーにも使われ、身長と顔の比率ではドラえもん、ミッキー・・・日本人にはスタイリッシュなミロのビーナスやモナ・リザよりも、白銀比が好まれるようです。でもこれは、相場(チャート)とは関係ありません。余談でした。

 

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。