経験に基づく投資の話 その⑭ アクティブ投信を点検する(筆者の確定拠出年金は100%、キャピタル世界株式ファンドで運用中)

先日、テレビ東京のモーニンブサテライトで三菱UFJモルガンスタンレー証券の藤戸則広さんが「アクティブ投信が(インデックス投信に比べ)優位の時代が来たのではないか」と語ってました。

禿同(古いですよね、2000年ごろの言葉です)とは言うものの、筆者ヘンデルは以前からお伝えしている通り、アクティブが勝って当たり前なのであって、勝つアクティブ投信を選ぶ投資家のリテラシーこそ、あるべきだ、と思っているのです。

早速結論をご覧いただきます。3年間という短期間ですけれど、世界株式運用(米国単独を除く)で、海外運用会社の投信で比べました。いずれも為替ヘッジなしです。

この表は、筆者ヘンデル個人のまとめです。ご利用の際はご自身でもご検証ください。

世界を代表するファンドの運用です。組入銘柄をご覧ください。アムンディ・ワールドバリューは、ずっとGOLDに注力してきました。「負けない」ための彼らの信念なのでしょう。今、その効果が出ています。

フィデリティ世界割安はメチャクチャ個別重視です。知らない会社ばっか上位にいます。フィデリティの個別株発掘は、昔から凄い能力があると思っています。とにかく「割安」にこだわって、ムッチャ個性的です。

その中で王道と思えるのがキャピタル世界株式ファンドです。日本で募集したお金を、ほぼ100%投資する米国New Perspective Fundの残高は15兆7000億円です。世界中で信頼されているから、この残高になるのだと思っています。

そしてこれらは3年という短期で見ても、1年で見てもインデックスに引けを取らない、または大幅に勝つ運用となっています。

ほんのここ数年は(年金運用として考えるには、数年だって「短期」です)、GAFAMだのFATMAN-Gと呼ばれた数銘柄がもの凄い上昇となりました。たとえばAAPLは時価増額が3兆ドルを突破、東証全部の時価総額の半分に迫りました。そんなことですから、時価総額が大きい順に加重平均するS&P500 指数やNASDAQ指数(インデックス)は、ほんの数銘柄の急上昇によって、大きな上昇となったのです。

だからといって、少なくとも数千億円、多ければ10数兆円のお金を預かる世界のアクティブ投信のファンドマネージャーが、数銘柄だけを集中保有・運用するなんてことはできません。結果、「アクティブ運用はインデックスに勝てない」という、多分日本だけの神話が形成されたのだと思います。日本の投資家は短期の成果を求める人が多いですから。

しかし去年、米国金利上昇を背景に、GAFAMを含む高PER銘柄が売られました。(その辺は、2000年当時となぞらえて本ブログ「経験に基づく投資の話 その④」に記しています)

金利上昇は米地銀の破綻をもたらしました。今年3月、シルバーゲート・キャピタル破綻・清算に始まり、シリコンバレーバンクの取付け騒ぎ、シグネチャーバンクも続きました。(本ブログ「経験に基づく投資の話 その⑨」をご参照ください)

話は戻って、藤戸さんの「アクティブ優位ではないか」の根拠として「地銀破綻以降、投資家はリスクにナーバスになってきた」としています。KBW米地銀株指数が急落し、その後もズルズル下がる一方、一旦下がったJPモルガン(世界最大の銀行)の株価は戻っているチャートを示しました。地銀から逃げ出した預金がJPMに逃げ込んでいる、という解説でした。

これは指数はダメだけど、個別は良いですよ、という状態です。藤戸さんのおっしゃる通り、アクティブ投信の出番です。

さらにフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は横ばいで、QCOM(通信用半導体)は下落しているけれど、NVDA(AI用半導体)は年初からちょうど2倍の値上がり(まだ2021年高値には及びませんけど)であることを紹介されました。

また、エルメスと米高級化粧品株価を比較していらっしゃいました。チャイニーズがリベンジ消費で、何百万円というバッグを買っているのだそうです。

ここ数年はしんどかったアクティブ投信のファンドマネージャーですが、金利が下がりそうで下がらない、景気が悪くなりそうで悪くならない、なんて複雑怪奇な現在のファンダメンタルズのもと、個別企業の評価ができる能力が活かせる環境といえるでしょう。

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。

くにたち市民オーケストラ 第45回ファミリーコンサート ベト7第2楽章インスパイア

4月23日府中の森芸術劇場に行ってきました。コロナ禍になってから3年間、ホールはお預けにしてました。 友人がステージに乗るというので行ってみることにしました。トラ(エキストラ)なのか、団員になったのかは聞きそびれました。

府中の森芸術劇場どりーむホールは結構な大箱で、定員2000人です。それが入場無料。ファミリーコンサートというくらいでして、「3歳以下のお子さまの入場はご遠慮ください」・・ということは幼稚園からOKということです。

こりゃ覚悟がいるなと思いつつ、友人の出るコンサートだし、折角の機会と思い、出かけました。

プログラムは、アタマがチャイコフスキーのイタリア奇想曲、サブメインがリムスキー・コルサコフのスペイン奇想曲、メインがベートーヴェン交響曲第7番、という華やかな(賑やかな)曲目集です。

大箱でしたが、コロナ禍終息は未だしの中、適度な空席は助かりました。ただ、左にイッコ空けたお隣がおチビさんで、ちょっと参りました。しかし、休憩でお帰りになり、というかホール全体でも休憩の間に、そろってチビちゃんたちがいなくなり、ちょっとした張り詰めた、というほどではないにせよ、ピッと緊張感のある空気になりました。

ベートーヴェンの7番です。prestoの第3楽章から熱狂の第4楽章がお好きな人もいらっしゃるでしょうけれど、「なんたって第2楽章だ!」という人は多いでしょう。筆者ヘンデルもです。

「永遠のアレグレット」と呼んだのはワーグナーだそうです。楽章を通じて、単調なリズムを貫き、変奏部に入ってもセロとコントラバスは同じリズムを刻みます。それに繰り返される主題とオブリガードが絡みます。心に浸み込むような、抱きしめたくなる旋律と和声が展開されます。 でも、スコア(総譜)をみるとムッチャ、シンプルです。ffでは「タン、タ、タ、タン、ターン」のリズムが体に叩きつけられます。筆者ヘンデルはこの単純の美とでも言いましょうか、これがベートーヴェンの神髄だと思っています。

汚い色の塗り方で申し訳ありませんが、中段から下、ホルン2本、トランペット2本、ティンパニ、1stバイオリン、2ndバイオリン、ビオラ、セロ、コントラバスまでが全く同じリズムを叩きつけてくるのです。前の方の「抱きしめたい」からうって変わって「もう参ったよ、降参だから!」って思います。

さて、今日はベト7の「永遠のアレグレット」にならぶ、美しい曲を考えてみました。

アレグレットつながりでいくと、ポコ・アレグレットですけれど、ブラームス押しの筆者ですから、まずブラ3(ブラームス交響曲第3番)の第3楽章です。セロとバイオリンが奏でる主題が、不安定なリズムなんです。音楽学としてなんと解説されるか素人にはわかりませんが、そのメロディーに哀愁を感じてしまいます。

明るいロマンチックでたまらん、というのはドボ8(ドボルジャーク交響曲第8番)の第3楽章、アレグレット・グラツィオーソ(優美に)です。この踊るような、でも胸を締め付けるような旋律はたまらんです。

美しい、ということならチャイ5(チャイコフスキー交響曲第5番)の第2楽章です。チャイコの特徴、超々甘美な旋律がホルンによって奏でられます。ご存じでしょうか、チャイ5の2楽章はアンダンテ・カンタービレ(歌うように)なんです。

チャイコのアンダンテ・カンタービレと言えば、これは条件反射で弦楽四重奏曲第1番の2楽章、通称アンダンテ・カンタービレなのですが、筆者には交響曲5番の2楽章がド真ん中なのです。

アンダンテ・カンタービレつながりでいけばラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」第18変奏がアンダンテ・カンタービレですし、後半難曲になりますけれど、メンデルスゾーンのアンダンテ・カンタービレとプレストアジタート 変ロ長調もたまらんです。

さらに「美しい」をついでに。あくまで筆者ヘンデルの好みですけど、もうちょっと。

ラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」は外せないでしょう。

マスネーのオペラ「タイス」の間奏曲、いわゆる「タイスの瞑想曲」は アンコールの定番ですね。

本日のお話のトリを務めますのは、マスカーニ の「カバレリア・ルスティカーナより間奏曲」です。1幕物のオペラで、舞台転換の時に演奏されます。これが、凄いんです。戦争に行っている間に間男されて、帰ってきて、そいつとこれから決闘だ、という場面で流れます。これから凄惨な場面が待っているのですが、それとは真反対な、青白く透き通ったような美しい旋律が、胸を締め付けます。

クラシックファンの皆様、お一人おひとりに好みはございましょう。ベト7第2楽章にインスパイアされて、筆者ヘンデルが頭に浮かぶのはこんなところです。

5月4日 南町田から境川河口の江の島まで歩きました。去年は境川を源流から河口までを3日に分けて歩いたのでした。

年に1度、ゴールデンウィークの3連休を使って、ロングマーチ(と筆者は呼んでいます)を行っています。今年は4回目になります。筆者ヘンデルは歩くのは好きなのですが、いつも音楽を聴きながら歩きます。音楽がないと、散歩もすることができません。

初回は、境川沿いにこだわって、遊歩道を歩きました。途中の道標には「江の島まで30km」と表示があったのですが、実は遊歩道沿いにはコンビニがありません。これはトイレが無い、という事と同じ意味です。行程は30kmを超えますから7~8時間勝負です。1日に何回かはお世話になります。お昼だって食べなくちゃなりません。

遊歩道からコンビニの距離が1km以上ある場合もあり(多くは)、それに川は曲がりくねっているので、初回はGoogle Fitによれば39km歩きました。境川河口にはたどり着きまして、目標は達したのですが、そこに見えている江の島まで渡る(渡って戻ってくる)気力が残っていませんでした。

それに懲りまして、2回目からは国道467号線(藤沢街道)を歩きました。コンビニはあるし、道は比較真っすぐだし。 すると、江の島に渡っても28kmほどでした。

今回は9時40分にノコノコ出発しました。南町田の拙宅からほんの数分で横浜市瀬谷区に入ります。左の高架は246です。さらに数分で神奈川県大和市です。藤沢方向の道標が出てきました。

その後、江の島までの距離が表示されます。この辺からイヤホンを取り出しまして音楽を聴き始めました。例年の経験で、スタートからワイヤレスイヤホンを使うと、バッテリーが1日もたないんです。7時間勝負ですから。かといって、コード付きを使うのは煩わしいんです。まずは「湘南乃風シングルベスト」の12曲から始めました。これから湘南に向かうので。

藤沢市に入りました。道標も「藤沢市街」に変わりました。

着々残距離が減っていきます。この辺りから、音楽をシベリウスの交響曲全集に変えました。第1番から始めました。去年はチャイコフスキーを1番から6番まで、マンフレッド付きで全曲聴いたのでした。

午後2時になり、お昼にしました。善行の「そば処名古屋」です。去年もこの店を利用しましたが、席まで同じでした。結構な偶然です。ゴールデンウィークで混んでいるのに。

源義経を祀る白旗神社と義経・弁慶像です。人出は、去年よりも相当賑やかでした。

今年の発見。伝 義経首洗井戸です。平泉から鎌倉に送られてきた義経の首は、頸対面の後、片瀬の浜に捨てられたそうです。それが 潮にのって境川をさかのぼり、白旗神社近くで里人がすくいあげて、この井戸で洗い清めたのだそうです。

「歩く」とこうした発見、出会いがあるのです。

江の島はもうすぐです。鎌倉まで2kmということで、江の島って昔、鎌倉だったんだよね~、と古いことを思い出しました。 右は藤沢市消防署本町出張所の消防車です。なんともオサレなナンバーです。こんな遊び心はいい感じだと思います。とても。

境川河口付近では桜が植えられていて、そのサクランボの多さに驚きました。サクランボができる品種、何でしょうか。右は到着のアカシです。オッサンですね。。

蕎麦屋さんで去年と同じ席は「あ、そう」程度でしたが、江の島に渡って大混雑のなか、右手のベンチで空いてるところに「やれやれ、どっこいしょ」と腰を降ろしたところがなんと、去年と同じ場所でした。これってなんか、偶然にしても出来すぎ、と思った次第です。

帰りに江の島から小田急江ノ島駅まで歩いた歩数と、南町田グランベリーパーク駅から拙宅までの歩数が加わって、43,796歩、30.9kmでした。

実は去年、境川を源流から河口まで、52kmを3日に分けて歩いたのです。1日は拙宅から河口まで、2日目は拙宅からJR線相原駅まで、3日目は相原駅から源流までの往復(これが結構な山登り)でした。当然山の中でして、四方八方からウグイスの鳴き声が聞こえました。これはクルマでブーッと行っちゃうと絶対聞こえません。下の画像はウグイスの鳴き声が、12秒のうちに2回聞こえます。

源流には看板が出てました。

このプチ冒険、体力が続く限り、続けます。