先日、高校時代の友人LINEグループで、このリンクが貼られました。
チェリビダッケのベートーヴェンの交響曲第9番合唱付きの第4楽章です。非常に独創的な演奏です。それに、この写真は筆者ヘンデルの知るチェリの様子とはだいぶ違います。けど髪の毛を振り乱しているのは置いといて、顔の造作は確かにチェリのようです。
第九については本ブログ1月15日でも取り上げました。今日はチェリビダッケについて語りたいと思います。
チェリって最近はTUBEのおかげもあってでしょうけれど、一般でもよく聞く名前になっているようです。でもちょっと前(ちょっとと言っても30~40年前・・)はコアなクラシックファン以外には、なかなか知られていなかったのではないでしょうか。
なにせ録音嫌いなんです。どこまで本当なのか、筆者は(ネットで調べても)よくわかりません。生前の録音は1枚だけと言う人がいて、それもチャリティ用だ、とおっしゃるブログもありました。モノラル時代の録音は、ある説もありました。
今ある録音は没後発売された、遺族公認の正規盤だそうです。ほとんどがライヴ盤です。それまでは海賊盤しかなく、録音自体ひどいものだったそうです。
録音嫌いの彼の言い分は「音楽はその時の一瞬だ。コンサートホールによって残響時間も違う。複製には価値がない」というものでした。
実は筆者ヘンデルはチェリが初来日した1977年、読売日響を振ったとき、そのホールにいたのでありました。恥ずかしながら、実はその時の曲目を覚えていません。多分ブラームスだと思うのですけれど。(ブラームスファンの筆者のことですから)
いまネットを見ると「遅い」という人が多いようです。筆者ヘンデルは当時、カラヤンよりもカール・ベームに心酔しておりました。そのせいか、チェリを聴いても「遅い」とは感じません。今聴くと、2楽章とか、ひっぱるな~という気はしますけれど。逆にカラヤンは速くて、なんかせわしない気がしているのです。
多分、録音嫌いのチェリに対して、録音大好きのカラヤンが、今の世代にとって聞きなれた「標準」になっていて、一方チェリは「独創的」になったのではないかと思います。 ・・ちなみに今でも筆者ヘンデルにとってはベームが「標準」です。
フルトヴェングラーがナチ協力疑惑で演奏が禁じられた時代、チェリがベルリンフィルを振っていました。フルトヴェングラーが1947年に戻ってきた際、ベルリンフィルはチェリの毒舌、偏屈に辟易としていたそうで、フルヴェンの後はカラヤンが首席指揮者に就任した、という流れでした。
当時、人気はチェリの方が高かったそうですが、一説には彼がルーマニア人だったから降ろされた、とも言われます。 んなこと言ったらカラヤンだってザルツブルク出身のオーストリア人じゃん、と思いますけどね。。
なんともチェリらしい録音を紹介します。アマゾンミュージックのものなので、ワードプレスに埋め込めるかどうか、わかりませんけれど、やってみます。
https://music.amazon.co.jp/albums/B00BK65GOI
昔から、曲が盛り上がってくると「うなり声」が聞こえる、という評判ではありました。この録音は明確にオケと一緒に「唄っている」、または感に堪えず「うなっている」、または本番中にもかかわらず「オケに指示を出している」ことがわかります。
これを含めてチェリなんです。