経験に基づく投資の話 その⑪ JPM好決算、NVOの急伸止まらず、AT1債について思うこと

JPモルガンが14日発表した2023年1〜3月期決算で、純利益は前年同期比52%増!の126億ドル(約1兆6700億円)でした。消費者部門などで金利収入が大幅に増えました。リセッションを考慮して貸倒引当金を計上しましたが、収入増で相殺ししました。

EPSは予想$3.37に対し$4.10、売上高成長率は前年同期比+24.8%でした。クレジットカードの支払遅延は微増、ROEは18%(前年同期は13%)でした。

ほぼ文句なしの決算で、14日株価は終値ベースで+7.55%と急伸しました。この上昇幅はJPMにとってハンパじゃありません。シルバーゲートに始まるローカル金融危機(筆者ヘンデルの命名)はJPMにとって漁夫の利だったようです。3月26日の本ブログに記した表現は“焼け太り”でした。

NVOの続伸の理由にはInvestor’s Business Dailyが4月12日に報じた「Aspect Biosystemsを$75Mで提携を契約、将来$650M支払う」とのことで、これがまた話題になったようです。

あと、筆者ヘンデルがウキウキしているのは、VIST(ビスタ・オイル・ガス)です。NVOを1回目に仕込んだ2月8日ブログで、同時にXLE(資源株ETF)を仕込んだことを報告しました。あまり根拠がなくてブログに取り上げずに申し訳なかったのですが、同時期にVISTも仕込みました。メキシコとアルゼンチンに鉱区を持ちます。資源株を買いたいと思っていて、チャートを見るとcup with handle(海外では最重要な上昇パターン)を形成していたので買い付けました。やはり資源は怪しい(良い方に)です。これから景気が悪くなるってのにおかしいっちゃおかしいのですけれど。サウジ減産、てニュースはありましたけれど。

三菱UFJモルガンスタンレー証券がAT1債を950億円販売していることがわかりました。報道だけでは、いつの販売で、その条件(金利、最低額面など)も不明です。少なくとも2022年6月に発行した16億5000万ドルが9.75%だったことがわかっています。(これを950億円販売したのかはわかりません) 購入したのは個人が1300口座、法人が250口座だったそうです。

9%なんて金利は、リスクの高さとの見合いであることをわかっている、はずなのですが。野村総研の元日銀審議委員の木内さんのレポートによれば、欧米のプライベートバンカーは個別金融商品を推奨することはない、のだそうです。日本のほとんどのプライベートバンカーは商品の販売者で、販売した手数料の一部を得ています。

1300人の不幸な人が出る理由は ①金融リテラシーがないか、足りない(顧客も、ひょっとしたら販売側も) ②手数料中心のビジネスモデルであること  だと思います。筆者自身が過去、何度も何度も、ずっと似たりよったりの商品を販売してきました。申し訳ないことに。それでも販売する際は、リスクについて、わかるように説明をした自信はありますけれど。 もうここ10年か15年以上、この手の商品は顧客に紹介していません。 

投信の運用会社を何社かネットで見ましたが、さすがにクレディを集中的に買っている投信はないようです。それにしても、こんな商品を個人に販売するのは如何なものでしょうか。営業企画なのか商品企画なのか知りませんが、三菱UFJモルガンスタンレー証券さんの姿勢を問いたいところです。

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。

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