現在、穀物メジャーの一角、ADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)買付を検討しています。買い時期を待っている、というべきですね。
過去の経験で、「落ちてくるナイフを掴んじゃいかん」を知っています。落ちて、チャリン、と音がしてから拾いに行く、デッドキャットバウンズ(死んだ猫でも2階から落とせばはずむ)には注意して。
止まりめは70ドル前後かな。なにせウクライナはまだ続くとみていますし、世界的に農地が減っています。なので筆者は以前からDE(ディーア:大型農業機械の最大手、建設機械も)を保有しています。米国小麦が去年2月に急騰して、今はずっと下がって元の水準以下まで、下がってしまいました。
ここらで穀物商社、どうかな、と思っています。穀物メジャー(Grain Major)とは、小麦や大豆、トウモロコシなどの穀物の買付・集荷・輸送・保管までを手がける巨大専門商社です。上位5社で世界の穀物取引の7割~8割を占めると言われています。「サイロ」や「エレベーター」と呼ばれる貯蔵施設、および貨車や貨物船まで保有しています。
需要家が、個別の農家から直接穀物を買うわけにはいきません。穀物商社の価値はここにあります。
そもそも穀物相場は、生産地の天候に大きく左右されます。生産者と直接取引をしているので作柄情報が入るうえ、人工衛星などで世界中の天候も知っていますから、価格変動の大きい穀物取引では有利に働きます。。
仕入れた穀物は先物取引でヘッジします。農家から現物の穀物を買うと同時に、先物を売っておけば損はありません。農家には今後の収穫の3年分とかの代金をまとめて渡しておき、農家はその大きなお金で、コンバインなどを購入することができます。でも、3年間は穀物がどんなに値上がりしても、契約時の値段で商社に渡さねばなりません。
穀物メジャーは昔はビッグ4、または五大穀物商社と言われました。アメリカのカーギル(未上場)、コンチネンタルグレイン、フランスのルイ・ドレフュス(未上場)、オランダのブンゲ、がビッグ4で、そのまた下位にアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)やコナグラが存在しました。その後、現在はADMが買収などを通じて第2位の売上げになっています。
世界最大手カーギルが未上場です。いかにも怪しそうです。1979年のソ連によるアフガン侵攻のおりに、米国はソ連に穀物を禁輸ししました。しかし、欧州のカーギルはせっせとブラジルやアルゼンチンの小麦をソ連に運んでいた、と聞いています。
今のロシアが石油・ガスを西側にボイコットされても、中国・インドが喜んで買っている図式です。禁輸なんてのは抜け道があるんだよ、ということかと思います。
さて、ADMですが、配当貴族です。配当貴族(Dividend Aristocrats)は25年以上、増配を続ける企業群です。49年連続増配です。PERは9.6倍です。チャリン、と音がしたら、買い出動します。
※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。