ある方から質問がありました。「NISAは何を買ったらいいかねぇ」「手堅くマイクロソフトかアップルかねぇ?」 ・・・「ちょっと違うかも」です。
マイクロソフト株式はその昔のWindows98のころから、私自身はお金がなくて買えなかったけれど、お客様には「98」が出たところから強力オススメしました。あれ以来、もう四半世紀になります。
その間、MSFT(マイクロソフト)はずっと成長株であり続け、昨年9月末には現金と同等物で1600億ドル(130円で約14兆円!)を持つ、ご存じスーパーBIGカンパニーになりました。このお金は即、買収に、配当に、何にでも使えます。
GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)+NT(エヌビディア、テスラ)並べなおして「FATMAN-G」は去年の今頃、毎晩、ゲップを通り越して吐き気がするほど上昇しました。
筆者はこの吐き気がするほどの上昇には覚えがありました。1998年から2000年のITバブルです。筆者は当時勤務しておりました会社のなかで、個人営業としては1番、ITバブルに踊った数字を残したそうです。私ごときがそんなはずはないだろ、という逆の自信がありまして、多分それは瞬間風速のことだと思います。
振り返ってみますと、Y2K問題(古いPCが西暦2000年を00年と誤認識、誤作動してしまう恐れがあった)は杞憂に終わり、という安心感とともにITバブルはピークとなりました。
Bull markets are born on pessimism, grow on skepticism, mature on optimism and die on euphoria. 強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑と伴に育ち、楽観の中で成熟し、陶酔とともに消えてゆく ジョン・テンプルトン
実はY2Kが心配だから、1999年、世界中で一斉にパソコンを買い替えて済んでいたのでした。インターネットの普及期でもありました。それ故の、強烈な需要の先喰いが起きたのです。
結果、Y2Kを通り過ぎたら、もう誰もPCを買わなくなったのです。PCは進化するからまだマシで、山のように作った光ファイバーの在庫は腐らないのです。
この図式って、今回のコロナと同じです。リモートが当たり前の時代になりましたから、自宅勤務用のPC需要が急遽発生したわけです。さらには「自宅用(エンドユーザー)用セキュリティ」「持って行かなくてもいい電子契約書」「リモート診療」など、これらソフトをネットで配信するSaaS(Software as a Service)も大変な相場になりました。 23年前でいえば、ドットコム(.com)が社名につけばなんでも急騰したのと似ています。
ITバブル当時、筆者のスター銘柄はCSCO(シスコシシテムズ)でした。なにせ毎年、2分割したのです。ルーターの世界No.1企業でした。現在もです。当時、ウィンテルコ(ウインドウズ+インテル+シスコ)なんて呼ばれました。今でいえば上記GAFAMと同じです。
History doesn’t repeat itself, but it rhymes. 歴史は繰り返さないが、韻を踏む マーク・トウェイン
インターネットで必須のルーターは10年後、20年後も必要だ、と当時思っておりまして、実際その通りになっています。しかし現在のCSCOに当時の成長力、夢は最早ないのです。
グーグル検索やグーグルマップ、Gmail、これらは10年後も必要で、存在するでしょう。でも、実は10年後には当たり前すぎて、成長力はなくなっているかもしれません。すでにチャットGPT、LINEといった強力なライバルが存在しています。
さて、やっと本日のお題です。本日、筆者はFM(iShares MSCI Frontier and Select EM ETF:除く中国の新興国、組み入れ1番はベトナム)をNISAで、それとGD(ゼネラル・ダイナミクス)を先ほど現地で買い付けました。FMについては毎月定額投資で買い増しする登録もしました。
FMはチャートで、緩やかではありますが三尊底(筆者経験では底入れ確率9割!)を脱したタイミングです。今後米国のリセッションは避けられないでしょうから、来年には金利は下がるでしょう。米国金利低下は新興国相場に追い風です。(もうGAFAMではない)
米国金利低下は来年からでしょうし、株は先を見ると言ってもギクシャクがあるのが新興国です。なのでいきなりフルインベストは避けて、チャートのタイミングで今月は予定金額(NISA)の半分買って、もう半分は定額毎月買付で、という作戦です。
新興国は人口の増加もあって、先進国よりも高い成長が期待できます。したがって、長期的には高いリターンが期待できます。人口の減る国、日本の円投資家にとってはリスクヘッジになると思います。資産の一部を長期で、投資するにはこれだと思うのです。
向こう数年の時間を予測して、今年のNISAは新興国ETFの「FM」という選択をしました。
かつて2000年ITバブル崩壊のあとにはBRICS(ブラジル、ロシア、インド、チャイナ、サウスアフリカ:ゴールドマンのジム・オニールが2001年に提唱)の大相場がきたのです。 今回も「歴史は韻を踏む」かもしれません。でも今回、BRICSのうちロシアと中国は除きます。当たり前ですね。
中国はゼロコロナ政策の転換で一旦は戻るでしょうけれど、政治のみならず経済のルールまで、偉い人のご意向で変えちゃう国では、長いお金は預けられません。ましてやいよいよ人口が減る国ですし、長期で見て、食指が動きません。
防衛関連では、去年から筆者はLTM(ロッキード・マーチン)に投資をしています。どこの国も防衛費が増額になり、いくつもの国でF-35を採用する報道があったからです。ご存じでしょうか、飛行機って50年飛ぶんです。そのメンテナンス費用を考えると、LTMには向こう50年の安定収入が見込めるわけです。
ここでさらに本日、GDを買付けたのは、昨今の戦車供与の話題があり、また先日の決算で今年のガイダンスが良くなくて、大きく下がったところだという理由です。また、25年以上連続増配という配当貴族の一員でもあります。
筆者は、巨星「FATMAN-G」相場のあとの、世界のお金の行き場所を探しているのです。
※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。