経験に基づく投資の話 その㉚ ポートフォリオを更に縮小

前回、「桐一葉 落ちて天下の秋を知る」とお話しました。
前回時点では確信とまではなかったのですが、だんだんホントな気がしてきました。

過去のFFレートの推移です。
Windows95から始まったITバブルは、FFレートが2000年に6.5%まで上がって終了しました。
ITバブル崩壊と2001年9.11もあり、FFレートは1%まで低下しました。

その低金利が住宅バブルを惹起したのです。
金利は5.25%まで上がりましたが効き目はなく、リーマンショックによりまして、なんと0%まで引き下げられました。それはQEを伴って7年以上続きました。

QEを終了させ、金利は2.25%まで上がったところで、2020年COVID-19により、再びゼロ金利にして景気刺激を行いました。

2022年から利上げを始めましたが、2023年には40年ぶりのインフレとなりFFレートは5.25%まで引き上げられました。
現在は緩和局面にあります。

新型コロナは世界各国で景気刺激策を打ち出させました。
世界中で財政赤字が拡大したのでした。

そこに第2期トランプ大統領の誕生です。
「高率関税をかけるぞ、いやなら米国に投資しろ」と迫ったわけです。
新型コロナ以来の、世界中のお金ジャブジャブ状態に加えて、さらにアメリカにお金を集める政策です。
エミン・ユルマズ氏の表現で「エブリシング・バブル」です。

当時のエミン氏がどこまで意識なさったかはわかりませんが、現在起きていることは、ドルの代替資産であるCryptoGOLDAI投資とその電力を作る原発量子コンピュータ、などへの資金集中です。

なかでも循環取引または花見酒としか思えぬAI投資は危ういと思いましたし、クリプトや金への資金逃避(みんなが逃避したら、それもバブルを形成してしまう)はとにかく流動性が背景ですから、それが無くなると大変なことになります。

その兆しは前回のお話に書いた米地銀の不安に見られます。

これらを考えあわせ、ヘンデル保有の (バリック・マイニング)、NEM(ニューモント)、CCJ(カメコ)、NEE(ネクステラ・エナジー)を売却します。
いずれも2倍近いか、2倍を大きく超える値上がりです。
金とウラン、電力ですから、ここにきての値上がりはAI関連株に勝るとも劣らぬものでした。
でも、ここで売却します。

ヘンデルのポートで残るのは日本株とキャピタル世界株、アメリカ以外の株式(DB、インドなど)とLMTなど防衛、バイオ株、資源株、その他です。
つまりは米国以外と米国内のディフェンシブの低PER、ということでサッパリしました。 ・・あとTSLAがありました。。

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。

 

 

経験に基づく投資の話 その㉙ 桐一葉 落ちて天下の秋を知る

淮南子(えなんじ)に、この言葉の原典はあるそうです。
片桐且元が詠んだとも伝えられます。
そして立花証券元社長の石井久さん、ペンネーム“独眼流”がスターリン暴落を予言したとき「桐一葉 落ちて天下の秋を知る」と言ったと聞いています。

1990年の日本のバブル崩壊をド真ん中で体験し、2000年ITバブルを踊りを踊ったうえでお客様と逃げ切り、2008年のリーマンショックにも対処してきた(エラソでスマソ)筆者が今、桐一葉かもしれん、と思っていることを(もはや多くの人が語っていますが)筆者なりに書き留めておきます。

NVDAとOpenAIは9月22日、1,000億ドルの資本業務提携に合意しました。
OpenAIはNVDAの半導体を使ってAI用のデータセンターを構築するそうです。

CEOのジェンスン・ファンは理屈をこねてますが、ヘンデルに言わせれば、これはベンダーファイナンスです。

かつてCSCO(シスコ)、NT(ノーテル)、LU(ルーセント)がITバブル時に行ったことで、後ろの2社はもう存在しません。
昔は「光ファイバーは腐らない」ことを弱点のように言っていましたが、今回はGPUって数年かからず陳腐化してしまいます。するとさらにファイナンスが必要となり、際限のないループに入ります。

さらに。
ORCL(オラクル)とOpenAIで、今後5年間で3,000億ドルのデータセンター投資を行うそうです。
この合意でORCLは1日で36%上昇し、ラリー・エリソンの資産はイーロンを抜きました。ORCLはこの高い株価を担保に銀行から借り入れを起こし、借りたお金でNVDAのGPUを買います。
NVDAはGPUが売れたお金でOpenAIに投資します。
おカネを手に入れたOpenAIはNVDAとORCLにデータセンターの代金を支払います。
(以上はヘンデルの理解ですので間違ってたらホントごめんなさい)

株価を釣り上げて、それを担保に資金調達して、お友達の間でお金がグルグル回っている構図です。
笠信太郎の「花見酒の経済」を思い出してならないのです。
(「花見酒の経済」をご存じない方は是非、検索してください)

そして、このスケール感はサブプライムローンと同規模です。

そこにもってきて、サブプライム向け自動車ローンのトライカラーが破綻しました。
自動車部品メーカーのファーストブランズがインボイスファクタリングの多用で破綻しました。こちらの債務総額は100億ドル以上と報じられています。

米国のクレジット市場がおかしくなっています。

さらにもっと細かい話で・・・
日本でも。
AIビジネスのオルツが上場廃止になりました。「循環取引」による粉飾決算です。

<桐一葉 落ちて天下の秋を知る>

日本のバブル当時、〇〇〇銀行は街の不動産屋に、①支店長決済で3000万を貸し、②貸した3000万で自行の株を買わせ(これが掛け目100%)、③自行株を担保に3000万の定期預金をさせ、④その定期を担保にお金を貸して、ヘンデルの証券会社に持ってきて投信を買い、⑤その投信を担保に、その5割借りて投信を買う、⑥2階建てをさらに3階建てにする ・・・なんて極悪非道な荒業をやっていました。
これがどこかで逆回転が起きた時、信用収縮はとんでもないことになります。
金額は小さいけれど、これが、こんなデタラメが、ヘンデルが体験した「バブル」でした。

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。

 

 

経験に基づく投資の話 その㉘ TACOトレードを考える

半年ぶりの更新です。高市さんの首相就任にあたり、書いておきたいことがありまして、再開しました。
まずこの半年のヘンデルの投資行動を振り返っておきます。

半年前、トランプ関税による世界の株式急落のなか、独メルツ首相にシビれてDB(ドイチェバンク)を買うとお話しました。あの日以来、直近では約2倍の投資成果になっています。

トランプ大統領の政策に筆者の思考は振り回され、また過去の経験による米AI株の割高感にさいなまれ、TACOトレード(Trump Always Chickens Outトレード:トラ様の強硬な政策が出て株が下がっても、すぐその政策は緩和されるので株は戻る、これを使った取引)に嫌気して・・・    AI関連株を決済しました。

ETFを含むハイテク株を、TSLAを除き売却しました。運用資産の半分を占める確定拠出のキャピタル世界株ファンド(←これがハイテクの組入が多いんです)の半分を定期にスイッチングしました。

我ながら笑っちゃったのが、売却に伴う譲渡益税があまりに大きく、(確定拠出年金は運用中は非課税ですが)時価評価で管理している筆者の金融資産が、オイオイというほどに減ってしまったことでした。

そりゃ、SMH(フィラデルフィア半導体指数連動ETF)が7倍とかになっているわけです。その利益の2割が税金ですから、無視できないどころかショックを受けるほど持って行かれたわけです。
長期投資を旨とする筆者にとっては初めての体験でした。何年も持っていたMSFTとも、NVDAとも、その他ハイテクと、決別しました。

ハイテクは売却後も上昇を続けていますが(残念)、結構、それどころじゃない短期値上がり群を保有していました。。
GOLDの値上がりの、それを上回るパフォーマンスの金鉱株です。

GLD(金ETF)、NEM(ニューモント)、B(バリック)の1年間の比較チャートです。
米国がゴールドリザーブの再評価するとの噂、ドイツや各国中銀がお札をバリバリ印刷する方向、BOEで取り付け騒ぎ、終わらない戦争、そしてなにより世界的なインフレ(懸念も含め)・・  金の値上がりは続きそうです。

ヘンデルが若いころ、「金を掘ってる株は金現物よりもよく上がるし下がるんだ」と散々習ってきました。それもそのはず、仮に採掘コストが1,000ドルで金価格が1,100ドルだとします。1,100ドルの金価格が1,200ドルになったら、金鉱株の粗利はザックリ2倍になる勘定です。

金は配当がでないし、好決算もありません。源泉分離課税もありません。なので株屋としては金現物も、金鉱株も、お客様に案内することがありませんでした。(大昔の住友金属鉱山:通称“別子”、三井金属鉱山“神岡”はやりました)

しかし今。上記のような情勢でして、1年近く前から今年の春にかけて、NEMニューモント、Bバリックマイニングがどうにも割安に見えて、買ってきました。
未だ現物にくらべ、水準は割安に見えます。

さて、今日の話題です。
TACOトレードのTは「TAKAICHI」です。
今日(10月6日)の日経平均は48,039円の2,269円高です。この大幅高はショートスクイーズの結果でしょう。
為替は円売りが進行、150円を突破してしまいました。

物価高対策が最優先課題なのに、最も物価を上げる人物が首相になります。
積極財政は財政悪化、お金バラマキはインフレへ、国民の生活は困窮化に拍車をかけ、債券増発は金利上昇、債券売りは円安進行。円安はさらに輸入インフレに跳ね返ることになります。

金利を下げて景気を刺激して、供給を増やせば物価は下がる・・・これってトルコのエルドアンさんの理屈です。
金利を上げずにインフレを放置し、トルコリラ安にしたトルコって株式は上がったんですよ。5年で11倍!です。でもトルコリラは45円前後が3円台に1/12、perplexityによればビッグマックは9.5倍です。 ・・・なんか整合的です。。

高市さんの理屈は金利を上げず景気を刺激すれば企業が儲かり、賃金が上がる、そしたら暮らしは楽にになる、ということ・・・らしいです。
あんま、変わらん気がします。「金利をいま上げるのはアホやと思う」だそうでしたし。なので日経平均は上がるでしょ。

経済政策には金融政策と財政政策が両輪であり、成長戦略をくわえて三つしかありません。

金融政策はアベノミクスでアクセルを床まで踏み込みました。
しかしデフレ退治の役には立ちませんでした。無駄に燃料、つまり存在した金利を、使い果たしただけでした。

財政は政府債務を積み上げ、いずれ来る限界をさらに手繰り寄せています。

成長戦略はこの四半世紀ほど唱えられ、トライしてきた結果が、現状です。

これらが、ヘンデルが日本に呆れはて、資産を海外に移している由縁です。

減税や補助金でお金をバラまけば一時的に生活はラクになります。しかし財政悪化、円の希薄化、それによる円安、結果として輸入インフレを招いてしまいます。

過去あれほど憎んだ円高、つまり通貨高で、つぶれた国はなかったのです。
今、経済の運営も個人の暮らしも輸入に頼る日本には、通貨安が致命傷になるのです。

高市さんは「働いて働いて働いて、働きぬく」と語りましたが、彼女が働けば働くほど、日本は物価高、金利高、円安が進むことになります。働かないでもらいたいと思います。
彼女の経済顧問はアベノミクスのリフレ派の中心だった本田悦朗さんです。サナエノミクスというより実はアベノミクス2.0、と呼ぶ方がふさわしいかもしれません。

でも、アベノミクスのスタート時、日経平均は8,000円台、円ドルは80円台でした。
現在の日経平均45,000円、円ドル140円台からのスタートで同じ政策ではどうなるものか、と思います。

高市さんが敬愛するサッチャーさんは、社会保障削減など小さな政府を目指しました。
「保守で女性」は同じですが、積極財政の高市さんとは180度違います。

高市さんはTACO、タコるべきでしょう。
トランプにはお目付け役のベッセントさんがいます。だからタコるのです。(だと思います)タコれるのです。
高市さんにはベッセントさんがいません。
心配です。


※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。