経験に基づく投資の話 その㉗ トランプ関税を考える(ヘンデルのアタマ整理用)

トランプ関税について、自分のアタマの整理用に、ゼロから考えてみます。(認識不足による変な誤解、誤りがないよう努めます)

日本がアメリカに輸出する自動車には、今までの関税率に加えて25%が上乗せされます。
これって結構、本邦自動車メーカーは乗り切れちゃうんじゃないでしょうか。

アメリカから見たら、1.25倍の値段になることになります。
日本で言えば、今日500万円のアメ車が明日から625万円になりますよ、という勘定です。

この「関税25%」ということは、筆者が以前に書きましたけれど、日本の自動車メーカーにとって、150円だった為替が25%円高の120円になるのと同じ効果です。
これって、本邦企業はこのくらいのことは過去、やってきた、乗り越えてきたんじゃないの、と思う次第です。

振返ってみればアベノミクスが始まったとき、1ドル80円台でした。2020年のコロナ発生当時のレートは100円トビ台だったのです。
それが去年は160円に達し、今円高だって言っても143円です。
自動車会社の方には誠に申し訳ないのですが、言っちゃあ何ですけれど、濡れ手に粟の4年間だったんじゃない? とも思います。 

こんなことは証券会社の人はレポートに書けないだろーなーと思います。トヨタさんにはお世話にいなってますから。

その他の日本製品は24%の相互関税です。
てことは150円の為替が121円になる換算ですから、歴史ある(100円以上の円高を知っている)たいていの企業は耐えることが可能でしょう。

株価は。
濡れ手に粟がなくなってしまえば、つまり業績は悪化しますから、残念ながら株価はその分、下がるのが当たり前ですね。

日本は、お隣のかの国のように「24%の報復関税だー!」とはなりません。
小麦や大豆の値段が 今のドル円140円×1.24=174円!換算になってしまうからです。

輸出企業が大減益になり、国内インフレが二桁、なんて近未来は想像したくもありません。

4月12日23:07「米国、相互関税からスマホ除外 iPhone根上がり回避」というニュースが入りました。次のパラグラフはなかったことに修正させてください。
一方でアメリカではiPhoneの買い替えが進んでいるそうです。iPhoneは中国製だか らです。合計145%の関税だとしたら・・ 中国からの輸入品は値段がいきなり2倍を超えるでしょう。
米国内で1000ドルだった製品が2000ドルを超える、一方で日本では1000ドルのままです。「大阪万博ツアーiPhone購入権付き」でインバウンドがさらに増えたりして・・

当面、何か月間かは米国経済指標は好調でしょう。
APPLを含め、米国企業は関税に備えて在庫を目いっぱいにしているに違いないからです。目いっぱい在庫を積み上げた、または駆け込み需要の経済指標がこれからでてきます。

ただ企業決算の来期のガイダンスは期待できません。悲惨なものになる可能性があります。

ところで、ディールの最初の交渉相手に選ばれたのが日本です。
世界で1番、朝飯前の相手、チョロい相手と見込まれたのかもしれません。
「日本はこんなにカードを切りまくったぞ!」と次の他国とのディールの見本になるような交渉を期待して、のことではなかろうかと思う次第です。

トランプ関税の負の効果はいっぱいありますが、プラスの効果はないのでしょうか。
ド素人の門外漢のヘンデルが思いつくまま書きなぐります。

コメです。
農林水産省とJAの旧態依然とした関係、備蓄米を放出してもなお値上がりする状態に結果としてメスが入るでしょう。
筆者はコメ農家に影響がでることは望みません。
しかし今回のディールの日本側の有効なカードはコメでしょう。
牛丼チェーンや回転ずしの会社は潤うことになる・・潤うほどになるまでカリフォルニア米を輸入したら良い、と思います。

ライドシェアやロボタクシーのアメ車輸入などの規制緩和も重要なカードの1つでしょう。
ライドシェアが何故進まないのか、詳しくありませんが、タクシー業界には打撃でも、特に地方の運転免許証を返納した老人には朗報となるかもしれません。
さらに、役所にテスラ車購入を義務付けたりして。(それはないか・・)

過去も、これからも、外圧こそ日本が変わるチャンスです。(外圧でしか変われない)

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。

経験に基づく投資の話 その㉖ 投資対象先もパラダイムシフトかもしれない

4月4日SP500は5074Pとなり、トランプさんの関税率発表からの2日間で、終値ベースで596P安となりました。
2月19日終値ベース高値6144Pからは下落率17.4%、弱気相場入り目前です。
NASDAQは下落率22.2%と、すでにベア・マーケット入りになりました。

そんな中、ある友人からLINEが来ました。
「VIXが30を超えたらSP500を買う!の自分ルールの発動です」

(VIX指数とはS&P 500のオプション取引の30日のインプライド・ボラティリティを元に算出するもので、日本では恐怖指数とも呼ばれます。 ←オプションて何? インプライドボラティリティって何? それは「テレビの箱の中身はわからなくても、スイッチ付ければ楽しめるよね」と同じということにしておいてください)

昨日、VIX指数は45.31でした。
VIXはリーマンの時が79、コロナの時で65、ってくらいで40超えはめったにありません。
GOOGLで検索しました。

滅多にないどころか、見たこともないのがFear & Greed Index(恐怖と欲望指数)です。それがExtreme Fearの領域、それもただの「4」という水準です。

 CNNサイトからです。

さらに。プットコールレシオが「1」を超えました。
プットコールレシオとはプットの取引量をコールの取引量で割ったもので、通常は強気の人が多いですから、0.6~0.8程度のところでウロウロしているものです。
プットを買う人の方が多くなっちゃった! てことです。

以上の3点をもちまして、4日(金)時点で投資家は震えあがった、金〇が縮み上がった、と判断します。

なので冒頭の友人の意見は悪くない、と思うのですが、投資対象にひと捻り加えてはいかがかと筆者は思うのです。

トラの関税率にはスコット・ベッセント財務長官がついています。スコット・ベッセントは、かのジョージ・ソロスのもとポンド危機を主導した人物として知られます。その後、自らヘッジファンドを主宰していました。

ベッセントは関税収益を減税措置の財源として活用することを構想しました。チップや社会保障給付金課税撤廃を優先し、これらを経済成長の起爆剤と位置付けています。
相手国の非関税障壁撤廃や補助金中止を条件に関税を免除する「交渉カード」の活用も提言しています。
「攻めの関税」と「守りの減税」、「減税による経済成長で税収増」の組み合わせは、素人の筆者ヘンデルにして、出来たらもの凄いことだよね、と思えます。
日本のいわゆる「頭の良い人たち」の感覚とはちょっと違うかも、です。

パウエルFRB議長によるパウエルプット(利下げ)も今は様子見です。

そこで、「米国は当分しんどい」として、歴史を振り返ります。
History doesn’t repeat itself, but it often rhymes.
歴史は繰り返すのではないが、よく韻を踏む。 マーク・トウェイン

去年の2月でしたか、AIバブルがやってきた、として本ブログで取り上げました。
筆者ヘンデルも踊りを踊りました。
今回は早くも、バブル終焉とその後を想像しています。

2000年にITバブルが崩壊しました。
その翌年、ゴールドマン・サックスのジム・オニールが「BRICs」を提唱しました。
ITバブル崩壊のアメリカに代わって、ブラジル、ロシア、インド、中国(のちに南アが大文字S、として加わります)が人口規模、経済成長率、資源の豊富さなどを背景に、新興国への投資ブームが巻き起こりました。
このブームは2010年代まで続いたのです。

つまり、今は、AIバブル崩壊のアメリカからフロンティアに乗り出すときが来たのではないかと思っているのです。

歴史は繰り返す、として、過去の経験をお話します。
前回のITバブル崩壊のあとは10年以上、ハイテクにはペンペン草も生えない状態が続きました。目立つところや、美味しいところは全部食べちゃったってことです。

そして現在です。
米国、中国に代わる投資先、それも成長マーケットとしては・・ 
復興需要のウクライナ、お隣のポーランドなんでしょうけれど、ADRで買える銘柄は多くありません。

そこで・・ 憲法改正までして、米国だのみNATO体制から脱却し、インフラ投資に舵を切った、ドイツに注目しています。詳しくは「経験に基づく投資の話その㉕ パラダイムシフト・・かもしれない 其の2」 をご参照ください。

 

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。