最高値更新した日経平均、マンション需要の高まりに思う 投資の話その⑳

日経平均は史上最多値更新で僥倖なことでございます。前回高値の1989年に至る過程、その後の失われた30年を、身体で知る人間としてはなんとも感慨深い・・・ かと思いきや、何だかまったくそんなことは感じていません。あまりに当時の日経平均株価と今の日経平均株価の構成が違うので、別物感しかないのです。外部環境も違いすぎます。

調べてみますと「1989年の日経平均」と「2021年の日経平均」の構成銘柄では、概ね3分の2以上の銘柄が入れ替わっているのだそうです。同時に30年の間に筆者の関心が完全にアメリカに向いてしまったこともありますけれど。

それと日経平均は、もとは単純平均なので値嵩株(株価の高い株)が大きな影響を持ちます。半導体製造装置の東京エレクトロンが上値を更新し続ける中、ウエートは10%に近づいており、指数寄与度が最も高いファーストリテイリングと合わせると約20%。このほか、アドバンテスト約5%、ソフトバンクグループ、KDDI、といった限られた銘柄によって牽引される、米国の影響下の「国内AI指数」の様相になりつつあります。

「円安で株高」と言われます。これに違和感があります。円安で物価高になり、内需が崩壊しているのが現状です。ここのとこ、偉い先生がたや報道は間違っていると思います。実質賃金は22か月連続マイナス、GDPは2期連続マイナス(定義上はリセッション)、内閣支持率はアベノミクス以来の最低値、それなのに日経平均は最高値、・・・なんでやねん。 ・・実感がなくて当たり前です。

外国人にとっては、日本株高によって円安ヘッジのニーズが生まれています。だから円安が加速しています。

円安だから株高になっている、わけではないでしょう。なぜなら。日本経済の輸出依存度は15%前後、過去50年で20%になったことはないのです。輸出依存度が40%前後のドイツ、韓国なら「良い円安(通貨安)」という主張も通るでしょうが、日本は米国同様、内需主導の経済です。その内需が、円安による物価高でダメじゃん、になっているのが現在の日本です。

自民党を含め議員の先生方とそのブレーンは頭が古いかも、です。円安にすれば日本が復活するとか、輸出業が復活するなどと思っている可能性を疑います。

もっとも指数で言ったら、今のアメリカ株だって、ある意味似たようなものです。S&P500という指数は時価総額加重平均なので、単純平均の日経平均よりははるかにマシなはずなのですが、マグニフィセント・セブンと呼ばれる7社が巨大すぎるのです。S&P500全体の3割を占め、残り493社はカヤの外、といった塩梅です。

日本のマンションが過熱しています。県庁所在地公示地価ランキング41位の前橋、前橋初の駅前タワマンが今月出来上がる、と思ったら、その真ん前にもう1本着工します。

南町田駅前のタワマン、ドレッセタワー南町田375戸は完成前に完売です。5000万前後から1億8000万円台です。同じく南町田の東京女学館跡地の大規模マンション、パークビレッジ南町田582戸も完売しました。駅から徒歩15分以上かかると思うのですけれど。

株が上がってマンションが上がって・・ いつかみた光景です。

マンションはコロナで玉不足になり、インフレ・円安、人件費上昇、で値上がりするのはわかります。それを買う人がいます。低金利と外国人が背景です。23区内ならわかります。値上がりした都内マンションでも、同規模の香港のマンションと比べれば4分の1の値段だそうですし、外国人が1棟買いだってするそうですから。

問題と思うのは、それを横目にみて筆者の娘のような中間層が「パークビレッジ、完売だって~」などと悔しそうな声を出すところにあります。南町田というところはショッピングモールあり、東名インターに近く、さらに三菱地所の大規模テーマパークも近隣に計画されているという場所ではあります。しかし駅から遠い中古マンションは値下がりするのは必定、と思うわけです。

筆者の、地価をめぐる違和感の理由を探してみました。すると。内閣府が2月15日に発表した 2023年10~12月期四半期別GDP速報 (1次速報値)の中、国内需要の中の「民間住宅」がマイナス4.0%なのです。あ~、これか、と思いました。都内中間層はもとより、地方都市に至るまで不動産価格バブルが波及しているのに対して、民間住宅需要全体は不調であることを示しています。低金利といえど、実質賃金はずっとマイナスで、値段は高騰、ですもの、全体としてはマイナスとなるのが自然だと思います。

幼児のいる娘には「駅から遠いマンションは値下がりするよ、待っときな」と伝えています。

経験に基づく投資の話 その⑲ 「AIバブル」と呼ぼう  History doesn’t repeat itself, but it does rhyme. 歴史は繰り返すのではない、韻を踏むのだ

7か月ぶりの投稿です。あるNPOの事務局に再就職しておりました。週3日の18時間勤務、そこから先はボランティアね、ということでした。ところが人手不足によりまして、12連勤のあと2日休んで19連勤なんていう状況で、ブログどころではなかったのでございます。

さてタイトルの「韻を踏む」と言ったのはマーク・トウェインです。たしかにそっくり繰り返すわけではないですね。

私のような古い人間は今、1995年Windows95に始まったITバブル(ドットコム・バブルとも云われた)を思い出しています。特に筆者は現役時代、相当、ITバブルを踊りまくった経験があるのです。

さて今、韻を踏んでいるのは「AIバブル」ですね。もうすでに皆さま、うまいことやっていらっしゃると思います。「いやこれからだ」、でも全然間に合うと思います。前回ITバブルはWindows95から始まって、98で大ブームになり、2000年までの5年間続きました。

今回のAIバブルは去年からです。オープンAIがChatGPTを公開したのは2022年11月30日のことです。目指すのは人類全体に利益をもたらす汎用人工知能を普及・発展させること、ですよ! 美味しいのは(加速するのは)これからだと思っています。

1995年からのインターネットブームは何故バブルに至ったのかというと、振り返ってみれば。労働生産性が高まったことによると考えています。当時、調べ物をするとき「ググれ」と言われるようになったことが象徴だと思います。

今回は、AIが労働生産性を高めることになると考えています。GAFAMの決算はいずれも増収増益でしたが、各社は人員削減を続けています。理由は2.5個あります。1つはコロナで、ネットサービスやPCの需要急増により人員を急増させた後の雇用調整。2つ目はAIへの超積極的投資に伴い、コスト削減が必要となったこと、後の0.5個はコスト削減のなかでも、高い報酬を求められる人の労働をAIが肩代わりするようになったことです。

AAPLは少なくともこの15年で初めて従業員数が減少しました。大手5社は21年~22年のピークから合計で約11万2000人を削減しました。グーグルのスンダー・ピチャイCEOは「投資の余力を生み出すために厳しい選択をせざるを得ない」として今年も削減を宣言しています。

例えばですけれど、スタンフォードを出てグーグルに就職する、といった世界のサラリーマンヒエラルキー(階層)のTop of the Topが、AIにとって代わられる図式です。これを筆者は「かつてない労働生産性の高まり」と考えているのです。25年前のネット社会到来とは比較にならない費用削減です。歴史は繰り返さない。韻を踏む。とはこのことでしょう。

ちなみに筆者がAIがらみでポジションを持っているのは以下の通りです。

MSFT NVDA AVGO NET S DUOL 

ETFでは SMH XLK  この2つは組入れがOKです!

最後にブル相場(上昇相場)で筆者が実行している箴言2つです。

Buy on Dips! 日米共通ですね。日本では「押し目買い」です。

もう1つは「上がる株ほど良く上がる」「(買いたくて)指をくわえている株ほど上がる」 日本の株にはほとんど興味のない筆者ですが、この教訓を身体に刻んだのはキーエンスでした。こればかりは指をくわえるばかりで、乗れませんでした。その教訓で、MSFT、NVDAは以前から持っていましたが、AVGOを買ったのはつい去年暮れです。

  



経験に基づく投資の話 その⑱ 値幅観測で使う「黄金分割」「黄金比」

「黄金分割」をご存じでしょうか。ミロのヴィーナスの頭のてっぺんからおへそまでと、おへそから足先まで、この比率です。0.382と0.618です。パルテノン神殿、パリの凱旋門、モナ・リザの微笑、など「人が美しいと感じる縦横の比率」を黄金比(1:1.618)と呼びます。

黄金分割0.618と0.382はフィボナッチ級数によってもたらされる比率です。

相場のリズムも自然界の法則に従わざるをえない、という真理(仮説かも)があり、それは過去の相場によって裏付けられてきたのです。筆者ヘンデル自身、何十年も前、FXなんて言葉もなかったころ、ドル=NZドルの相場で、0.01の単位までピタリ0.618にあてはまったことが2度ありました。

振り返ってみれば、この事実を目の当たりにして、筆者は黄金分割信者になったのでした。相場の転換点は例えば、日本人がよく使う「1/3押し」ではなく、欧米人が大好きな「0.382押し」なのだ、と確信したのでした。「押し」というのは「下げ」のことです。

株価が過去、底を付けたところ、これをスタートとして、100円上がって天井を付けて、下がってきたら・・どこまで下がるかの1つ目のメドが上がった幅の0.382押しの61.8円(上がった幅の61.8%)、次の下値メドが1/2押し50円下げ、最期のメドが0.618押しで38.2円(スタートからは38.2%上昇) これが基本です。

そしてフィボナッチ級数とは、初めに1を二つ横に並べて書いてください。次に、その和を右に書き足します。以下、1と2の和3、次は2と3の和5・・・ というように、すぐ左の2数の和を右に書き足してゆく、そうして出てくる数列がフィボナッチ数列です。

1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89

この数列の神秘的なところは、左の数値をすぐ右の数値で割ると、0.618に収斂していくところです。2÷3=0.666、3÷5=0.6、5÷8=0.625、8÷13=0.615、13÷21=0.619、21÷34=0.617、34÷55=0.618、55÷89=0.6179

逆にすぐ右の数値で割り算すると89÷55=1.6181  これを黄金比と呼ぶのです。この比率も相場の世界で見かけます。

レオナルド・ダ・ビンチは「もしも、あるものが正しい姿でなければ、うまくいかない」と言ったそうです。(鏑木繁さんの著作から) モナ・リザの顔の縦横比は1:1.618です。顔の大きさと、額から手までの距離が1:1.618です。

でも日本人は白銀比と呼ばれる1:√2(1:1.4142)が大好きです。この顔は「可愛い」になります。ちなみに白銀比はA3、A4といった紙の縦横比でもありますし、法隆寺やスカイツリーにも使われ、身長と顔の比率ではドラえもん、ミッキー・・・日本人にはスタイリッシュなミロのビーナスやモナ・リザよりも、白銀比が好まれるようです。でもこれは、相場(チャート)とは関係ありません。余談でした。

 

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。

 

 

 

 

 

 

 

 

経験に基づく投資の話 その⑰ 違和感があって、ちょっと修正 年末に向けての米国短期見通し

サマーラリーはもう終わった、と思っていましたが、お構いなしに上昇しています。出てきた景気指標と企業の個別ニュース、業績、PERなどに見る投資家センチメントなどをいろいろ見ると、どうも違和感を感じ、明確な利上げ終了までは調整があるのではないか、と感じるようになりました。

現在のマーケットのはしゃぎ振りは、先週の「CPI、前年比3.0%上昇に留まる」「これなら年内利上げは1回、0.25%で終わるかも」と期待したに違いありません。

筆者ヘンデルも7月2日の投稿で「5月CPI4.0%でFFレートは5.25%、インフレ撲滅は近い」とコメントしました。その後7月12日発表の6月CPIは3.0%とさらに低下、マーケットは「ヒャッハー!」となったのは当然だと思います。

ただ、その後です。TSLAの決算が出ました。EPSもTopLineも良かった(予想を上回った)のですが、「利益率」が下がったのです。そりゃ当ったり前でありまして、値引きしていっぱい売ったのですから、そりゃ利益率は下がります。9%台でしたか、でもそれって既存の大手自動車会社に比べれば、とんでもなく高い利益率なのですけれど。

しかし結果、マーケットの評価(株価)は1割下がってしまいました。以前筆者はここで書きました。EVって昔のPCのように、毎年性能が上がって、値段は下がるんじゃないのか、という見方です。

日本ではテスラはいまだに高級車イメージですが(確かに数年前は車格も価格も外国高級車でした)、今ではアメリカでは高級車ではなく、安い、いわばカローラだ、と聞きました。調べてみると日本でもモデル3は補助金も合わせると410万円から買えます。

TSLAは今後メキシコに、インドに工場を作る具体的計画があります。それから想定して、PER60倍台はまだ納得できると思います。

でもNVDAのPE200倍台はなんとも納得しかねます。違和感を覚えます。これはやり過ぎなんじゃないの?と思う次第です。

AAPLのニュースです。9月に発売を予定しているiPhone15ProとiPhone15ProMaxの製造が上手くいっていないそうです。初回出荷台数を絞り込むとのことです。AAPLに問題があるのではなく、LGのスクリーン供給が歩留まりが悪くて滞っているそうです。iPhone15は久々のメジャーアップグレードと聞いていますが、量産が間に合わないそうです。

にも拘わらず株価はたいして下がっていません。この楽観も筆者には違和感があります。

景気指標です。6月CPIの3.0%ですが、この内容はエネルギーの下げが大きく、サービスや家賃がまだ下がっていないのです。平均時給の伸びが前年比4.4%と高止まりしています。賃金インフレはしつこいことで知られており、FRBメンバーは警戒を緩めてはいないと思います。

住宅着工件数も、これほど金利が上がったにも拘わらず4月140.1万戸、5月163.1万戸!、6月143.4万戸と再加速の様相です。

ウクライナ情勢です。NATOサミットでは前に進みませんでした。長引くことが確認されたと思います。それどころか、ウクライナ小麦の輸出について問題が発生しています。

さらに、昨年は暖冬で助かりましたが、今年はまたわかりません。エネルギー価格が怪しげな動きです。筆者ヘンデルのポートフォリオはジワリと評価益が増えています。高金利で景気後退を心配していましたが、どっこい景気は堅調、金利上げはまだ続く、となれば「エネルギー」「素材」でしょう。「農作物」もかもしれません。

XLB(素材セレクト・セクターSPDRファンド)の買付を検討します。

そんなに遠くない将来(10月とか年末とか)の買い場にそなえ、評価損株式の一部売却を検討します。とはいえ成長ストーリーに変化がなければ、やっぱり売りません。決算のない、個人投資家の良いところです。

先週から始まった決算シーズンですが、今週がヤマ場です。売却はこれを見てから、が正しい投資態度です。

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。

経験に基づく投資の話 その⑯ インドの積み立てを始めました 今更ですが・・・

昨年末、旧勤務先を退職しまして、好き勝手に投資できるようになりました。退職金をもらったのは60歳のとき、5年前です。65歳になり再雇用終了、退職して売買が自由になったという現在です。

去年春に米国の金利上昇にともない、GAFAMや高PEハイテクを売却したお金、いわば待機資金があり、昨年秋に投資を再開、今年の春にはインドのETFを買いました。

それから数か月、結構値上がりした(高値から下がった分の半分戻した)のですが、ここからNISAでインドの積み立てを始めました。今更ではありますが、銘柄はウィズダムツリーインド収益ファンド(EPI)です。

組入1番はリライアンス(石油化学品および繊維メーカー。石油化学部門ではガソリン、灯油、液化石油ガス  などを製造する)で7.06%、2位タタ・スチール6.17%、3位ICICI銀行4.23%、4位インフォシス(ITコンサルティング、ソフトウエアサービス)3.71%、インド石油ガス公社(原油と天然ガスの探査・生産)3.69%  というのがトップ5です。業種分散が良くできていることが決め手でした。金融24%、エネルギー19%、情報技術16%、一般消費財・サービス9%、素材8%、という分散です。

SENSEX指数は、その構成比率で金融が4割を超えるので、業種分散したいよね~、と思っている次第です。

ご存じのとおり、今年人口は中国を抜きました。労働人口が多い、人口ボーナスの時期となっています。ロシア・中国グループと西側諸国との間でいいとこ取りができます。そして、AAPLとTSLAが工場を作るほどの「民度」を有するようになりました。

まだまだギクシャクはあるはずですが、だから積立で買っていきます。

 

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。

 

 

 

経験に基づく投資の話 その⑮ 1か月半のご無沙汰でした 現在の思いと見通し

筆者ヘンデルは6月から再就職しました。5月末からお試し期間をやってました。思いのほか忙しい仕事でして、拙宅の狭い庭の手入れ(雑草抜きだの)やピアノの練習もできずにいます。でも、ひと月たって、やりがいを感じ始めた、というところです。

その間「投資」はどうだったんだ、と言われると皆さんも同様だと思いますが、順調な評価益増加となっています。個別の凸凹はありますが、トータルとしては、です。ご存じのとおり、買ったらなかなか売らないものですから、あくまで評価益であって、全銘柄持ちっぱなしでありました。

(去年春には、パウエルが金利を上げると言ったのでTSLAを除くFATMAN-Gのすべてと高PEのハイテク全部を売り払いましたけれど・・ 何年かに一度は売ります)

昨年末に引退してからこっち、週に一度、確定拠出年金評価額、有価証券評価額、銀行預金残高の合計をチェックしています。個別銘柄の上がった下がったに、シメシメと思ったり、ナンジャコリャとガッカリはしますが、日々トレードする気は全くなく、テンバガー(10倍になる株)を目指して放りっぱなしという状況です。

もちろん全てに10倍を目指しているわけてはなく、長期で保有しつづけることができる株、何年という時間で期待をしつづけることができる株、という銘柄選びをしているつもりです。これ、重要だと思います。売り買いしていては永遠にテンバガーには巡り合えません。

私の金融資産の半分近くを占める確定拠出年金「キャピタル世界株式ファンド」は好調です。史上最高値を更新中です。組入1番がMSFTで、TOP10にはMETAもTSLAも入ってますから、肯けます。

こういったハイテクはキャピタルに任せ、個別株はサブカルチャーと言って良い銘柄群、たとえば防衛、農業、資源(天然ガス、リチウムなど)、薬など、キャピタル世界株が調子が悪いときに補強する業種を中心に投資しています。長期で期待するTSLA(もう何年も保有中)、NOVO(筆者の体重は4か月で6㎏減少)、半導体ETF、バイオETFなんてのもありますけれど。

さて見通しですが、この夏は冴えない展開を想定します。サマーラリーは6月にやってしまったのではないかと思っています。早くて年末、FRBが金利上昇打ち止め宣言をして、来年早々にも利下げが見えてこないと、本格上昇はないと判断しています。

米国5月CPIは4.0%で、現在のFFレートは5.0%~5.25%です。すでにインフレよりも政策金利は高いのです。インフレ退治は時間の問題になりました。そこに5%台のFFレートです。下げ余地というか下げが可能な幅は十分です。将来金利が下がるときには、ほんの数年前に体験した「ハイパーグロース株」でしょう。

去年、金利が上がるというので売却してしまいましたが、CRWD、SNOWを再び考えています。GAFAは美味しいところは出ちゃったかな、と思います。パウエルかニックが「金利、下げるよ」と発言してから、確認してから、次世代グロースを買いたいと思います。

日本株は買い増し予定はありません。INPEC、JMDC(現在評価損)、AGC、リクルート(現在評価損)、三菱銀行、三菱商事、携帯ソフトバンク、旧勤務先株(現在評価損) これしか保有していません。日本株は25年前(ITバブルのころ)からあきらめています。日本にあきらめている、と云うべきかもしれません。

 

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。

 

 

 

経験に基づく投資の話 その⑭ アクティブ投信を点検する(筆者の確定拠出年金は100%、キャピタル世界株式ファンドで運用中)

先日、テレビ東京のモーニンブサテライトで三菱UFJモルガンスタンレー証券の藤戸則広さんが「アクティブ投信が(インデックス投信に比べ)優位の時代が来たのではないか」と語ってました。

禿同(古いですよね、2000年ごろの言葉です)とは言うものの、筆者ヘンデルは以前からお伝えしている通り、アクティブが勝って当たり前なのであって、勝つアクティブ投信を選ぶ投資家のリテラシーこそ、あるべきだ、と思っているのです。

早速結論をご覧いただきます。3年間という短期間ですけれど、世界株式運用(米国単独を除く)で、海外運用会社の投信で比べました。いずれも為替ヘッジなしです。

この表は、筆者ヘンデル個人のまとめです。ご利用の際はご自身でもご検証ください。

世界を代表するファンドの運用です。組入銘柄をご覧ください。アムンディ・ワールドバリューは、ずっとGOLDに注力してきました。「負けない」ための彼らの信念なのでしょう。今、その効果が出ています。

フィデリティ世界割安はメチャクチャ個別重視です。知らない会社ばっか上位にいます。フィデリティの個別株発掘は、昔から凄い能力があると思っています。とにかく「割安」にこだわって、ムッチャ個性的です。

その中で王道と思えるのがキャピタル世界株式ファンドです。日本で募集したお金を、ほぼ100%投資する米国New Perspective Fundの残高は15兆7000億円です。世界中で信頼されているから、この残高になるのだと思っています。

そしてこれらは3年という短期で見ても、1年で見てもインデックスに引けを取らない、または大幅に勝つ運用となっています。

ほんのここ数年は(年金運用として考えるには、数年だって「短期」です)、GAFAMだのFATMAN-Gと呼ばれた数銘柄がもの凄い上昇となりました。たとえばAAPLは時価増額が3兆ドルを突破、東証全部の時価総額の半分に迫りました。そんなことですから、時価総額が大きい順に加重平均するS&P500 指数やNASDAQ指数(インデックス)は、ほんの数銘柄の急上昇によって、大きな上昇となったのです。

だからといって、少なくとも数千億円、多ければ10数兆円のお金を預かる世界のアクティブ投信のファンドマネージャーが、数銘柄だけを集中保有・運用するなんてことはできません。結果、「アクティブ運用はインデックスに勝てない」という、多分日本だけの神話が形成されたのだと思います。日本の投資家は短期の成果を求める人が多いですから。

しかし去年、米国金利上昇を背景に、GAFAMを含む高PER銘柄が売られました。(その辺は、2000年当時となぞらえて本ブログ「経験に基づく投資の話 その④」に記しています)

金利上昇は米地銀の破綻をもたらしました。今年3月、シルバーゲート・キャピタル破綻・清算に始まり、シリコンバレーバンクの取付け騒ぎ、シグネチャーバンクも続きました。(本ブログ「経験に基づく投資の話 その⑨」をご参照ください)

話は戻って、藤戸さんの「アクティブ優位ではないか」の根拠として「地銀破綻以降、投資家はリスクにナーバスになってきた」としています。KBW米地銀株指数が急落し、その後もズルズル下がる一方、一旦下がったJPモルガン(世界最大の銀行)の株価は戻っているチャートを示しました。地銀から逃げ出した預金がJPMに逃げ込んでいる、という解説でした。

これは指数はダメだけど、個別は良いですよ、という状態です。藤戸さんのおっしゃる通り、アクティブ投信の出番です。

さらにフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は横ばいで、QCOM(通信用半導体)は下落しているけれど、NVDA(AI用半導体)は年初からちょうど2倍の値上がり(まだ2021年高値には及びませんけど)であることを紹介されました。

また、エルメスと米高級化粧品株価を比較していらっしゃいました。チャイニーズがリベンジ消費で、何百万円というバッグを買っているのだそうです。

ここ数年はしんどかったアクティブ投信のファンドマネージャーですが、金利が下がりそうで下がらない、景気が悪くなりそうで悪くならない、なんて複雑怪奇な現在のファンダメンタルズのもと、個別企業の評価ができる能力が活かせる環境といえるでしょう。

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。

くにたち市民オーケストラ 第45回ファミリーコンサート ベト7第2楽章インスパイア

4月23日府中の森芸術劇場に行ってきました。コロナ禍になってから3年間、ホールはお預けにしてました。 友人がステージに乗るというので行ってみることにしました。トラ(エキストラ)なのか、団員になったのかは聞きそびれました。

府中の森芸術劇場どりーむホールは結構な大箱で、定員2000人です。それが入場無料。ファミリーコンサートというくらいでして、「3歳以下のお子さまの入場はご遠慮ください」・・ということは幼稚園からOKということです。

こりゃ覚悟がいるなと思いつつ、友人の出るコンサートだし、折角の機会と思い、出かけました。

プログラムは、アタマがチャイコフスキーのイタリア奇想曲、サブメインがリムスキー・コルサコフのスペイン奇想曲、メインがベートーヴェン交響曲第7番、という華やかな(賑やかな)曲目集です。

大箱でしたが、コロナ禍終息は未だしの中、適度な空席は助かりました。ただ、左にイッコ空けたお隣がおチビさんで、ちょっと参りました。しかし、休憩でお帰りになり、というかホール全体でも休憩の間に、そろってチビちゃんたちがいなくなり、ちょっとした張り詰めた、というほどではないにせよ、ピッと緊張感のある空気になりました。

ベートーヴェンの7番です。prestoの第3楽章から熱狂の第4楽章がお好きな人もいらっしゃるでしょうけれど、「なんたって第2楽章だ!」という人は多いでしょう。筆者ヘンデルもです。

「永遠のアレグレット」と呼んだのはワーグナーだそうです。楽章を通じて、単調なリズムを貫き、変奏部に入ってもセロとコントラバスは同じリズムを刻みます。それに繰り返される主題とオブリガードが絡みます。心に浸み込むような、抱きしめたくなる旋律と和声が展開されます。 でも、スコア(総譜)をみるとムッチャ、シンプルです。ffでは「タン、タ、タ、タン、ターン」のリズムが体に叩きつけられます。筆者ヘンデルはこの単純の美とでも言いましょうか、これがベートーヴェンの神髄だと思っています。

汚い色の塗り方で申し訳ありませんが、中段から下、ホルン2本、トランペット2本、ティンパニ、1stバイオリン、2ndバイオリン、ビオラ、セロ、コントラバスまでが全く同じリズムを叩きつけてくるのです。前の方の「抱きしめたい」からうって変わって「もう参ったよ、降参だから!」って思います。

さて、今日はベト7の「永遠のアレグレット」にならぶ、美しい曲を考えてみました。

アレグレットつながりでいくと、ポコ・アレグレットですけれど、ブラームス押しの筆者ですから、まずブラ3(ブラームス交響曲第3番)の第3楽章です。セロとバイオリンが奏でる主題が、不安定なリズムなんです。音楽学としてなんと解説されるか素人にはわかりませんが、そのメロディーに哀愁を感じてしまいます。

明るいロマンチックでたまらん、というのはドボ8(ドボルジャーク交響曲第8番)の第3楽章、アレグレット・グラツィオーソ(優美に)です。この踊るような、でも胸を締め付けるような旋律はたまらんです。

美しい、ということならチャイ5(チャイコフスキー交響曲第5番)の第2楽章です。チャイコの特徴、超々甘美な旋律がホルンによって奏でられます。ご存じでしょうか、チャイ5の2楽章はアンダンテ・カンタービレ(歌うように)なんです。

チャイコのアンダンテ・カンタービレと言えば、これは条件反射で弦楽四重奏曲第1番の2楽章、通称アンダンテ・カンタービレなのですが、筆者には交響曲5番の2楽章がド真ん中なのです。

アンダンテ・カンタービレつながりでいけばラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」第18変奏がアンダンテ・カンタービレですし、後半難曲になりますけれど、メンデルスゾーンのアンダンテ・カンタービレとプレストアジタート 変ロ長調もたまらんです。

さらに「美しい」をついでに。あくまで筆者ヘンデルの好みですけど、もうちょっと。

ラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」は外せないでしょう。

マスネーのオペラ「タイス」の間奏曲、いわゆる「タイスの瞑想曲」は アンコールの定番ですね。

本日のお話のトリを務めますのは、マスカーニ の「カバレリア・ルスティカーナより間奏曲」です。1幕物のオペラで、舞台転換の時に演奏されます。これが、凄いんです。戦争に行っている間に間男されて、帰ってきて、そいつとこれから決闘だ、という場面で流れます。これから凄惨な場面が待っているのですが、それとは真反対な、青白く透き通ったような美しい旋律が、胸を締め付けます。

クラシックファンの皆様、お一人おひとりに好みはございましょう。ベト7第2楽章にインスパイアされて、筆者ヘンデルが頭に浮かぶのはこんなところです。

5月4日 南町田から境川河口の江の島まで歩きました。去年は境川を源流から河口までを3日に分けて歩いたのでした。

年に1度、ゴールデンウィークの3連休を使って、ロングマーチ(と筆者は呼んでいます)を行っています。今年は4回目になります。筆者ヘンデルは歩くのは好きなのですが、いつも音楽を聴きながら歩きます。音楽がないと、散歩もすることができません。

初回は、境川沿いにこだわって、遊歩道を歩きました。途中の道標には「江の島まで30km」と表示があったのですが、実は遊歩道沿いにはコンビニがありません。これはトイレが無い、という事と同じ意味です。行程は30kmを超えますから7~8時間勝負です。1日に何回かはお世話になります。お昼だって食べなくちゃなりません。

遊歩道からコンビニの距離が1km以上ある場合もあり(多くは)、それに川は曲がりくねっているので、初回はGoogle Fitによれば39km歩きました。境川河口にはたどり着きまして、目標は達したのですが、そこに見えている江の島まで渡る(渡って戻ってくる)気力が残っていませんでした。

それに懲りまして、2回目からは国道467号線(藤沢街道)を歩きました。コンビニはあるし、道は比較真っすぐだし。 すると、江の島に渡っても28kmほどでした。

今回は9時40分にノコノコ出発しました。南町田の拙宅からほんの数分で横浜市瀬谷区に入ります。左の高架は246です。さらに数分で神奈川県大和市です。藤沢方向の道標が出てきました。

その後、江の島までの距離が表示されます。この辺からイヤホンを取り出しまして音楽を聴き始めました。例年の経験で、スタートからワイヤレスイヤホンを使うと、バッテリーが1日もたないんです。7時間勝負ですから。かといって、コード付きを使うのは煩わしいんです。まずは「湘南乃風シングルベスト」の12曲から始めました。これから湘南に向かうので。

藤沢市に入りました。道標も「藤沢市街」に変わりました。

着々残距離が減っていきます。この辺りから、音楽をシベリウスの交響曲全集に変えました。第1番から始めました。去年はチャイコフスキーを1番から6番まで、マンフレッド付きで全曲聴いたのでした。

午後2時になり、お昼にしました。善行の「そば処名古屋」です。去年もこの店を利用しましたが、席まで同じでした。結構な偶然です。ゴールデンウィークで混んでいるのに。

源義経を祀る白旗神社と義経・弁慶像です。人出は、去年よりも相当賑やかでした。

今年の発見。伝 義経首洗井戸です。平泉から鎌倉に送られてきた義経の首は、頸対面の後、片瀬の浜に捨てられたそうです。それが 潮にのって境川をさかのぼり、白旗神社近くで里人がすくいあげて、この井戸で洗い清めたのだそうです。

「歩く」とこうした発見、出会いがあるのです。

江の島はもうすぐです。鎌倉まで2kmということで、江の島って昔、鎌倉だったんだよね~、と古いことを思い出しました。 右は藤沢市消防署本町出張所の消防車です。なんともオサレなナンバーです。こんな遊び心はいい感じだと思います。とても。

境川河口付近では桜が植えられていて、そのサクランボの多さに驚きました。サクランボができる品種、何でしょうか。右は到着のアカシです。オッサンですね。。

蕎麦屋さんで去年と同じ席は「あ、そう」程度でしたが、江の島に渡って大混雑のなか、右手のベンチで空いてるところに「やれやれ、どっこいしょ」と腰を降ろしたところがなんと、去年と同じ場所でした。これってなんか、偶然にしても出来すぎ、と思った次第です。

帰りに江の島から小田急江ノ島駅まで歩いた歩数と、南町田グランベリーパーク駅から拙宅までの歩数が加わって、43,796歩、30.9kmでした。

実は去年、境川を源流から河口まで、52kmを3日に分けて歩いたのです。1日は拙宅から河口まで、2日目は拙宅からJR線相原駅まで、3日目は相原駅から源流までの往復(これが結構な山登り)でした。当然山の中でして、四方八方からウグイスの鳴き声が聞こえました。これはクルマでブーッと行っちゃうと絶対聞こえません。下の画像はウグイスの鳴き声が、12秒のうちに2回聞こえます。

源流には看板が出てました。

このプチ冒険、体力が続く限り、続けます。

チェリビダッケのベートーヴェン、ブラームスの交響曲を紹介します。

先日、高校時代の友人LINEグループで、このリンクが貼られました。

チェリビダッケのベートーヴェンの交響曲第9番合唱付きの第4楽章です。非常に独創的な演奏です。それに、この写真は筆者ヘンデルの知るチェリの様子とはだいぶ違います。けど髪の毛を振り乱しているのは置いといて、顔の造作は確かにチェリのようです。

第九については本ブログ1月15日でも取り上げました。今日はチェリビダッケについて語りたいと思います。

チェリって最近はTUBEのおかげもあってでしょうけれど、一般でもよく聞く名前になっているようです。でもちょっと前(ちょっとと言っても30~40年前・・)はコアなクラシックファン以外には、なかなか知られていなかったのではないでしょうか。

なにせ録音嫌いなんです。どこまで本当なのか、筆者は(ネットで調べても)よくわかりません。生前の録音は1枚だけと言う人がいて、それもチャリティ用だ、とおっしゃるブログもありました。モノラル時代の録音は、ある説もありました。

今ある録音は没後発売された、遺族公認の正規盤だそうです。ほとんどがライヴ盤です。それまでは海賊盤しかなく、録音自体ひどいものだったそうです。

録音嫌いの彼の言い分は「音楽はその時の一瞬だ。コンサートホールによって残響時間も違う。複製には価値がない」というものでした。

実は筆者ヘンデルはチェリが初来日した1977年、読売日響を振ったとき、そのホールにいたのでありました。恥ずかしながら、実はその時の曲目を覚えていません。多分ブラームスだと思うのですけれど。(ブラームスファンの筆者のことですから)

いまネットを見ると「遅い」という人が多いようです。筆者ヘンデルは当時、カラヤンよりもカール・ベームに心酔しておりました。そのせいか、チェリを聴いても「遅い」とは感じません。今聴くと、2楽章とか、ひっぱるな~という気はしますけれど。逆にカラヤンは速くて、なんかせわしない気がしているのです。

多分、録音嫌いのチェリに対して、録音大好きのカラヤンが、今の世代にとって聞きなれた「標準」になっていて、一方チェリは「独創的」になったのではないかと思います。 ・・ちなみに今でも筆者ヘンデルにとってはベームが「標準」です。

フルトヴェングラーがナチ協力疑惑で演奏が禁じられた時代、チェリがベルリンフィルを振っていました。フルトヴェングラーが1947年に戻ってきた際、ベルリンフィルはチェリの毒舌、偏屈に辟易としていたそうで、フルヴェンの後はカラヤンが首席指揮者に就任した、という流れでした。

当時、人気はチェリの方が高かったそうですが、一説には彼がルーマニア人だったから降ろされた、とも言われます。 んなこと言ったらカラヤンだってザルツブルク出身のオーストリア人じゃん、と思いますけどね。。

なんともチェリらしい録音を紹介します。アマゾンミュージックのものなので、ワードプレスに埋め込めるかどうか、わかりませんけれど、やってみます。

https://music.amazon.co.jp/albums/B00BK65GOI

昔から、曲が盛り上がってくると「うなり声」が聞こえる、という評判ではありました。この録音は明確にオケと一緒に「唄っている」、または感に堪えず「うなっている」、または本番中にもかかわらず「オケに指示を出している」ことがわかります。

これを含めてチェリなんです。