経験に基づく投資の話 その⑫ チリ大統領、リチウム産業の国有化発表

4月21日(金)12:54 ロイターのツイッターのヘッドラインです。

今後、国内の巨大なリチウム事業の経営権を業界大手のソシエダード・キミカ・イ・ミネラ(SQM)とアルベマールから国営企業に移管する。政府は既存の契約を破棄しない。SQMの契約は2030年に切れる予定。

これには息を吞みました。3月18日本ブログで報告した通り、ALBを当時200トビ台で仕込んだばかりなのです。昨年11月334ドルから大きく下がり、チャートからすると200ドル割れで買いたいところだけれど、欲張っちゃいかん、と思っての200ドル台買付だったのです。

記事によれば、議会の承認が必要で、議会は3月提出の税制改革法案も棚上げになっている、とありました。

SQMが2030年まで契約があるとすると、大統領選はあと2回あります。法案を棚上げするという議会との関係からしても、そんなに長持ちするかどうか、わからないと思いました。 また、筆者が保有するALBの契約がいつまでなのか、昨日時点では不明だったのですが、ま、慌てなくてよかろう、と判断しました。

今朝になっての結果は、173.75ドルの-19.31ドル、アフターアワーで177.00ドルでした。 SQMのほうは63.44ドルの-14.47ドルでした。 なぜALBの方が被害が小さかったのかは、わかりません。

大統領によれば「経済成長の促進と環境保護が狙い」だそうです。 環境保護は重要です。チリのリチウムの採掘では、ポンプでリチウムを含む地下水をくみ上げて人工池で天日干しにして、粉末にして製品にするのです。このくみ上げる塩水が大量で、リチウム1トンあたり約50万ガロン(190万リットル)が必要なのだそうです。1日あたり約2100万リットルもの塩水をくみ上げて天日干ししているという記述もありました。その過程で多くの水が失われるのです。

一晩明けて、ALBの契約は2043年だと知りました。(裏は取れておりません) 大統領の政党Convergencia Socialは多数派ではないそうです。ということで、塩湖の国有化は20年先の話で、その政策の実現性は低い(当分の間)ということがわかりました。

ここはもうしばらく我慢しましょう。リチウム株が下がっているのは、いまEVが売れていないということであり、何故売れていないかというと金利の上昇で需要が減退しているから、要はこれから景気が悪くなるからということです。 EVがダメなのではなく、リセッション懸念が理由で下がっているところに(だから筆者は買ったのですけれど)実現可能性の低い悪材料が出たわけで、状況は変わっていないと思われます。

ここは継続することにしましょう。

 

※このページに書かれた数値、内容等については、筆者ヘンデルの調べであり、意見です。記載する内容は出来るだけ正確なソースに基づくよう心掛けていますが、未確認の内容を含む場合があります。ここに記載された情報を参考に金融商品などの投資を行った場合、その結果は自己責任です。

 

 

 

 

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